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LDやADHDでは空間認識力が低く文字や図形が理解できないことがあります。 放課後等デイサービスのフランチャイズ

LD(学習障害)やADHD、ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー症候群)など、発達障害の子どもが抱える空間認識能力の低さや図形認知の苦手さからくる問題について解説します。

また、その原因ととるべき対応についても説明します。

発達障害で空間認識能力が低いと起きる問題

LDやADHD、ASDの特徴の1つとして、空間認識能力や空間認知能力の低さが挙げられます。また、図形認識能力が低く、図形の苦手さもあります。

空間認識能力が低いと、物事の感じ方や物事の認識の仕方、判断をする力が鈍くなります。

その結果として

  • 文字の組み立てがわからない
  • 絵が思いどおりに描けない
  • 塗り絵をしても枠からはみ出してしまう
  • 算数の図形問題がまったくわからない」

などの問題が子ども達には起こります。

空間認識能力が低い原因

空間認識能力が低い要因の1つは、視覚認知における障害とされています。

文字や数字、物体の形・色がうまく把握できず、モノの配置や方向をつかめないことが、空間認識能力や空間認知能力の遅れの原因です。

ただし視覚が鈍いわけではありません。むしろ強い光やチカチカと光るものには敏感です。立体や動く物体などの視覚情報を取捨選択することや、うまく読みとる面で困難さがあります。

視覚認知における空間認識の障害

少し専門的な話になりますが、空間認識や図形認知は、認知心理学や神経心理学などの分野では、視空間認知と呼ばれています。

視空間認知とは物の奥行や距離感、文字や図形など全体的な空間をつかむための機能です。

視空間認知の障害と脳機能の関係

視空間認知をおもに司どっているのが、頭頂連合野と呼ばれる領域だと考えられています。脳の後方にある頭頂葉に位置し、視座の情報と二次元的な絵画的な手がかりによって奥行きに関する情報処理が行われています。

(参照:頭頂連合野の機能 ―運動制御と奥行き情報処理|日本大学・先端医学講座・応用システム神経科学 泰羅 雅登

脳内でも高次脳機能の役割を果たす頭頂連合野ですが、もっとも活性化するのは10歳前後です。障害の有無にかかわらず、この時期に頭頂連合野を鍛えておくことで、空間認知や図形認知の力が付きます。

有効な方法として、外で体を動かして遊ぶことなどが挙げられますが、決して障害が完治するわけではないので、ご了承ください。

いずれにしても、視空間認知の弱さは、頭頂連合野などの脳機能の働きの問題から生じていると考えられます。発達障害の中には、知能が高い子どもも少なくありません。だからこそ、国語や算数、図工・美術など一部の分野で不得意なことがあると、それが障害によるものは理解しにくいものがあります。

関連記事:LD・ADHDの子どもが併発をする「空間認識能力の弱さ」を療育で改善ポートを。

空間認識能力が低いことによるデメリット

発達障害の子どもで、空間認知能力が低いと、二次障害につながるデメリットがあります。

他の分野に問題がなかったり、発達障害の症状が軽度だったりすると
周囲には理解されにくく、家庭や学校でつらい思いをすることもあるでしょう。

周りの子と同じように字が読めないことだけでもつらいのに、
その上先生や親に叱責されてしまったら、精神的にも病んでしまいます。

発達障害で一番問題なのは、失敗への注意叱責が続くことやいじめなどによる二次障害』の記事でお伝えしたとおり、空間認識能力や空間認知能力の遅れよりも、心的なストレスを抱え込んでしまうことが注意を払うべきポイントでしょう。

なお、アスペルガー症候群の研究では、空間認知の遅れは学習能力や学習効率に影響を及ぼしていることや、自信のなさや学習意欲の低下までも誘発していると指摘されています。

(参照:空間認知に困難を示すアスペルガー障害児への文字指導|宮城教育大学特別支援教育総合研究センター研究紀要.三浦 光哉, 千葉 愛莉著

空間認識能力が低い問題はその子に合わせた対処が必要

発達障害での症状は、生まれつきの脳機能の問題からくるものなので、
空間認知能力の低さは、本人の努力だけではどうしようもないのです。

みんなと同じような学習方法では理解が難しいので、個別に対応していくことが必要です。

私たちの放課後等デイサービス「こどもプラス」では学習サポートも行なっています。

それと共に、我慢したり感情をコントロールする力、集団活動をする社会性やコミュニケーション力、姿勢作りや怪我の予防、手先の器用さなど社会生活で必要な能力を身につけていけるように療育を行なっています。

空間認識力を鍛える療育の事例

各教室で実践している、絵に関する療育活動の事例を紹介します。

<事例①>

日ごろのプログラムとして、ビジョントレーニングの1つであるタングラムパズルを行っています。

タングラムパズルとは、三角形や四角形、平行四辺形などの図形を組み合わせて様々な図形を作り出すトレーニングです。

タングラムパズルを通して、図形の特徴や形を理解する図形感覚を養うことができます。算数や数学の図形学習につながります。

ほかにも、こどもプラスが運営するInstagramでビジョントレーニングの例を紹介しいるので、参考にしてみてください。イラスト付きでわかりやすく解説しています。


<事例②>

毎月教室の壁に季節の飾りを貼っています。

1枚の紙に子ども達みんなで思い思いの絵を書いてもらい、貼ることにしました。

テーマは春。色鉛筆やマジックを使い、怒っているハチやさくら、チューリップなどを描き、誰一人として友だちの書いた絵の上に書くことなく、見事に調和した「春の絵」が完成しました。

<事例③>

静かな活動の1つとして工作を行いました。

工作のテーマは桜のちぎり絵。ピンク色の折り紙をさまざまな形にちぎり、画用紙に貼っていきます。木の幹や草、太陽などは色鉛筆で描き、桜の花を折り紙で作って完成です。貼る作業は細かく少し難しいため、良いトレーニングになります。

関連記事:療育では「運動療育」と「学習支援」の組み合わせが効果的

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