服を着たがらない・脱ぎたがる発達障害児への対応方法
発達障害の中でも、とくにアスペルガー症候群の症状を持つ子ども達は、衣服の脱着が困難なことがあります。
一人でも着替えをできるようになるには、日々の暮らしの中で教えていくしかありません。具体的で細かいルールを決めることが、できるようになる近道です。
なぜ衣服の脱着が苦手で、どんな対応が最善なのかを、わかりやすく紹介します。
アスペルガー症候群の子どもはボディイメージが弱い
アスペルガー症候群の子どもの特徴として、体を思うように動かせないことがあります。
この原因は
- 身体地図がうまくできていない
- 手先が不器用で細かな作業ができない
という点が挙げられます。「身体の動きにくさ」に関する困難・ニーズをまとめた研究では、以下のように説明されています。
「「ボディイメージが弱く、自分の幅がどこまであるか分からない」(岩永・藤家・ニキ:2008)、「手先を動かす作業は圧倒的に遅い」(岩永・藤家・ニキ:2009)など、当事者が自身の身体の動きについて困難を抱くことは多い。」
(引用:本人・当事者調査から探るアスペルガー症候群等の発達障害 の子ども・青少年のスポーツ振興の課題|笹川スポーツ財団)
ボディイメージが確立していないことで、例えば、手足がバラバラのように感じられることで、服を着たり脱いだりすることができなくなります。ボディイメージの問題は『運動療育でボディイメージを高め、発達障害児の生活行動面を改善する方法』をご覧ください。
また、同じ姿勢を維持することができず、うまく着替えられないこともあります。
関連記事:ASDや発達障害では姿勢維持が苦手なことも特徴の1つ
服を脱ぎたがる自閉症・アスペルガーの特徴
衣服の脱着が難しいことは、発達障害の早期発見につながる点でメリットがあります。
アスペルガー症候群は、自閉症スペクトラム障害の1つです。知的発達や言葉の発達の遅れはありません。言動面では発達の課題を感じないこともあるでしょう。
周囲が気づくきっかけは、日常生活における技能の低さです。片付けが苦手といった特徴がありますが、とくに衣服を着脱したり、選択したりすることが困難、もしくは時間を要するようであれば、アスペルガー症候群である可能性が高くなります。
例えば
- 年中通して同じ服を着たがる
- 新しい服や衣替えを嫌がる
- 服を脱いで全裸になる
- 服装の色合い・バランスがちぐはぐ
- 服の着替えを嫌がる
- 靴がはけない
- 靴下を嫌がる
- ボタン・フックをはめられない
という行動が見受けられます。
アスペルガー症候群の子どもに衣服の脱着を教える方法
日ごろの技能から、自分の子どもがアスペルガー症候群だと早期発見できれば、いち早く改善するためのサポートを始めることが大切です。ここでは衣服の脱着に関してできることを紹介します。
服を着替えるということは毎日行うことです。
繰り返し教えていき、着替えたら自分で鏡を見てチェックすると良いです。
言葉をかける場合は、短くて具体的な表現を用います。ただし声をかけるよりも、アスペルガー症候群の子どもは、図形・文字による視覚的な情報を認識する能力が優れているため、服の着替える手順を書いて貼り紙で確認できるようにしてあげるとスムーズです。
さらに、季節に合わせて服装を変えることも教えていきましょう。
子どもによっては気温何度以下で上着を着る、着ないなど細かく決め、
写真や絵などで伝えていくことも必要になることがあります。
関連記事:アスペルガー症候群の子への指示は短く明確に示しましょう。
服を着たがらない子どもには一人ひとりに合った療育が必要
一言で「発達障害」「アスペルガー症候群」「自閉症」などといっても
症状の程度や種類はそれぞれに違ってくるので、
あくまでもその子に合った対応を見極めていくことが大切です。
私たち「こどもプラス」の放課後等デイサービスの教室では、療育活動を通して
日常生活がしやすくなることを念頭において活動をしています。
療育内容は独自の運動療育プログラム「柳沢運動プログラム」を主軸にして、
学習サポートなども行なう中で、日常生活でのレベルアップを目的にしています。
子ども達が将来、社会に出たときに孤立することがないように、
悩んだり困ったりすることが少なくなるように、
先を見据えた支援を心がけて日々の活動を行なっています。
こどもプラスが運営するInstagramで、ボディイメージなど困りごとを解消できる運動療育の実例を紹介しています。動画付きでわかりやすく解説しているので、参考にしてみてください。
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